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労働トラブルを未然に防ぐこと


労働トラブルに関する相談を受けることが増えています。労働トラブルは労使間、社内で解決することが一番望ましいのですが、最近では、都道府県労働局のあっせん、地方裁判所の労働審判などに解決を求めていくケースが増えています。

やはり、本来は、労働トラブルを未然に防止するために、適切な労務管理を日々実践していくことがとても重要なのです。

適切な労務管理はどうすべきであったのか・・・労務管理が適切でなっかったために労働トラブルに発生したケースを事例を交えて解説していきます。






モデル就業規則のままだと・・・・




この場合、解雇するためには、その意思表示が本人に伝わらないと効力が発生しません。家族に解雇の意思表示をしても、解雇の効力は発生しません。あくまでも本人に対して行わないとダメです。

行方不明になった従業員を解雇する場合、法律的には『公示送達』の方法をとらなければ有効な解雇とは言えません。

※『公示送達』とは
相手方の最後の住所地を管轄する簡易裁判所に申立てをし、裁判所の掲示板に掲示するほかこの掲示について官報及び新聞に少なくとも1回掲載することによって行います。

そして、最後に官報若しくは新聞に掲載された日から2週間が経過したら、相手方にその意思表示が到達したものとみなされます。

『公示送達』でやっと解雇の意思表示ができたことになりますが、この場合でも『解雇予告の手続き』が必要になります。 つまり、意思表示が相手方に到達したとみなされた日から、更に30日を経過した日に解雇が成立することになります。

解雇予告をしないで早く解雇したい場合は、解雇予告手当を支払うことになります。この場合、解雇の意思表示と予告手当の支払は同時に行わなければいけませんので、公示送達を行う際にあらかじめ解雇予告手当相当額を『供託』し、その旨も併せて公示します。

※『供託』とは
金銭等を相手が受け取らない場合に、相手が受け取ったのと同じ法律上の効果を得るために、その金銭等を供託所に預けることをいいます。供託は法務局で行います。

そこで使える就業規則に変更

就業規則の退職の事由に「行方不明による欠勤が30日に及んだとき」と定めておけば、30日に達した時点で自動的に退職となります。休職期間の満了と同じように従業員に意思表示をしなくても(解雇ではないので)、これで退職の効力が発生します。

公示送達や解雇予告の手続きが不要になりますし、更に、退職金の不支給事由に「行方不明・・・」と定めておけば、退職金の支払も不要になる場合もあります。




モデル就業規則のままだと・・・・



昇進の反対の意味の降格(例えば、課長から課長補佐への降格)は、就業規則の定めが無くても会社は自由に人事権を行使できるはずです。しかし、余計なトラブルを避けるため、降格処分があることを就業規則に記載します。

また、上記のように、降格による、賃金の降給は就業規則による規定と妥当な降給理由が必要です。

就業規則に降格による、資格等級の見直しによる降格・降給の可能性が予定されており、使用者にその権限が根拠づけられていれば、降給が可能な場合もあります。しかし、逆に、その定めがなければ、降給が無効となった判例があるので注意が必要です。

そこで使える就業規則に変更

資格等級の見直しにより、上位の資格に昇格した場合、昇給し、また、下位の資格に降格した場合は降給することがある。
勤務成績不良の者、業務外の事由により実就業日数が所定の就業日数の3分の2に達しない者、休暇中の者、休職中の者については昇給をしない、もしくは降給を行う場合もある。




モデル就業規則のままだと・・・・



近年、解雇トラブルの増大に伴い、ルールが明確になりました。労働基準法では、合理的な理由がなく社会通念上相当であると認められない解雇は『解雇権の濫用』として無効としています。この場合、会社は、『解雇の自由』を主張し、元社員は、『権利濫用』を主張することになります。
 上記の解雇理由が合理的であると認められても、『解雇するには酷である』という考え方で、判例では労働者保護の場合が多く、会社に不利と言えます。

会社としてのやるべきこと

就業規則で「勤務成績や勤務態度不良で解雇することがある」と記載があり、合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められた場合には解雇が認められています。しかし、見て見ぬ振りして、放任し、注意や改善指導しないでいきなり、解雇通告をした場合、『解雇権の濫用』を指摘される可能性が高いでしょう。

そこで、会社としてのやるべき点として特に次の点に配慮が必要です。

違反事実を発見したら、絶対に放置せず、注意・指導すること。(これを怠ると監督責任の怠慢と評価されます。)
本人の業務遂行能力の不良を指摘する前に、然るべき、教育あるいは適正配置を充分に行うこと。
過去の解雇事例と比べて、公平で正等といえるにか。解雇が不当な目的で行われていないかの確認




モデル就業規則のままだと・・・・



「就業規則第○条第○項第○号に定める懲戒解雇処分を受けた者に対しては,退職金を支給しない。」

上記の規定により、従業員を懲戒解雇にした場合には、退職金を不支給とすることは可能です。しかし、懲戒解雇は、あくまで退職前の社員、つまり、会社と雇用関係にある者に対して、行うものです。ですから、退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合には、すでに会社との雇用関係が終了していますので、改めて懲戒解雇とすることは不可能となります。上記の規定のままでは、懲戒解雇ができない以上、退職金を支給しなければならなくなります。

そこで使える就業規則に変更
「退職後に、在職中に懲戒解雇事由に該当することが発覚した場合、既に退職金を支払った場合は、その金額を返還請求できるものとする」という一文を加えることで、上記の例のような事態が発生しても、退職金の返還を求めることが可能となります。





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