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是正勧告を甘くみると書類送検もありうる

是正勧告書は労働基準監督官の行政指導に過ぎず、強制力はありませんが、労働基準法違反が明らかに存在し、そのことを指摘された事実を決して甘く見てはいけません。

仮にきちんと対応をせず、違反状態を放置したり、悪質とみなされた場合には、労基法違反の容疑で検察庁に書類送検されることもあり得るのです。

是正勧告を機に前向きに問題を捉え、改善を進めた会社であっても、割増賃金の支払いは免れることは出来ません。


実際の現場では、労働基準監督署が2年分の請求をすることもあれば、会社に在籍する従業員全員に数ヶ月分の残業代不払い分の支払いを指導し、将来に向けての是正を勧告する場合もあります。ただ、申告した労働者に対して強制的に賃金を支払わせる権限はありません。

しかし、労働基準監督官は労働基準法違反の容疑で犯罪捜査をし、いざとなれば逮捕する権限もあることは刑事訴訟法でも定められています。





定期監督と申告監督

労働基準監督署は、労働基準法違反を調査するため、会社に指導・調査を行います。その指導・調査の代表的なものとして定期監督と申告監督があります。

定期監督

原則として立入調査(臨検)は行われず、必要書類を持参のうえ、事業所が労働基準監督署へ出向きます。
 定期監督は労働基準監督署が任意に抽出して調査しますが、その抽出方法は、調査時期や労働基準監督署によって異なります。特に選ばれやすい企業として、従業員が10人以上いるが就業規則が未提出のところ、従業員が10人以上で長時間労働で最近摘発を受けた業種などが狙い目のようです。


申告監督

労働者からの申告に基づいて行われるもので、その裏づけとなる事実を調査するために立入調査(臨検)が行われます。





退社後のサービス残業請求が増えています

労働者の権利意識は相当なもので、今は決して泣き寝入りなどせずに、堂々と権利を主張してきます。インターネットの普及で、「労働問題の駆け込み寺」的なサイトも数多く見受けられます。特に、退職した元従業員から「内容証明郵便」を使って未払い残業代の請求があるケースもあります。

「内容証明郵便」は本人の意思表示を法的に証明するものであり、たとえ、タイムカードの記載がなくても、本人のメモ等を添えることで、確実な証拠となります。

以前に「残業の退社時にタイムカードを打つな」と指示していた悪質な会社も「内容証明郵便」から、過去2年間に遡って残業代を支払っている例もあります。





サービス残業問題になれば会社の負け


サービス残業問題になれば会社には勝ち目がありません。問題が発生する前に就業規則の整備がとても重要なのです。就業規則は会社と従業員との規則を定めたものであることは言うまでもありませんが、はたして、就業規則の役割が果たされている会社がどれほどあるでしょうか?

社会環境の変化やめまぐるしい法律改正によって会社の実態と就業規則の内容がかけ離れているのではないでしょうか。しかたなく、事業主は就業規則を従業員に周知させることなく保管されている場合もあるのです。周知させていないこと自体も法令違反ですが、もし、重大なトラブルになった場合に全く就業規則の役割が機能しないことになります。

労務管理において重要なのは就業規則です。「就業規則があると、会社が縛られる・・・」と誤解する経営者の方がいらっしゃいますが、それは内容次第です。会社を苦しめるものもあれば、会社を守ってくれるものもあります。私がお勧めするのは、もちろん後者の方です。

就業規則はただ作ればいいというものではありません。書店やネットで入手できる雛形就業規則や行政機関が配布しているモデル就業規則等をそのまま使うのは大変危険なことです。

モデルや雛形就業規則では個別の会社の労務管理の実態や会社の意図に適合せず、建前に終始し、就労実態との乖離が様々な労使トラブルを発生させる原因にもなり得るからです。

きちんと作成した就業規則はただの紙切れではありません。いざ、という時に無用な労使トラブルから会社を守ってくれる力強い味方になります。就業規則見直しに当たっては、押さえるべきポイントがいくつかありますが、その最大のものの一つがサービス残業の問題なのです。

労働条件のうち、賃金、労働時間、休日・休暇はとりわけ重要なものですが、サービス残業はまさに賃金、労働時間、休日・休暇の不適切な管理が露呈したものであり、その意味では、サービス残業の解消への取り組みは労務管理の急所を押さえることになります。

就業規則を作成することの本質は、労務管理をきちんと行うことです。就業規則の見直しとは就労実態を改善することに他ならないのです。
サービス残業の問題は、職場に埋められた“地雷”のようなものです。いつ踏んでしまうか分からない・・・そんな不安はなくしたいです。





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